本物の天才と自称天才
2016/09/08
本物の天才
2月9日(土)朝のうち雪、後雨、夕方晴れ。
ニューヨーク在住で世界的なアーティスト荒川修作さんにお会いした。
最近ぼくが仲良くしてもらっている本間桃世ちゃんは、彼のマネージャーであり、東京事務所の代表でもあるのだが、その彼女に「今度高知に行くから、会ってみない」といわれて、この日の会談が実現した。会談といっても、ほとんど荒川さんがしゃべりっぱなしで、ぼくは聞くばかり。前日には、フィギュアで有名な「海洋堂」の宮脇さんと対談している(近々、高知新聞にその記事が載る予定)。高知に何をしに来たのか。「velocity」という雑誌に、掲載された記事「ARAKAWAからの手紙」から、一部抜粋すると、
・・・私たちが30年以上取り組んできた「天命反転都市」とは、その街に普通に生活するだけで、身体のあらゆる細胞や筋肉の活性化が始まり、共同の免疫力や新しい感覚が出現し、健康になり、長寿になるのです・・・
で、その街を高知のどこかに作る、と、もう決めている。天才親分が、そう決めちゃったから、一の子分の桃ちゃんは、何度も来高して、その場所やスポンサーを探す実務を担当している。桃世ちゃんのお母さんは食文化研究家として有名な本間千枝子さん。その千枝子さんから「高知にはすごい男がいて、まるでサムライのよう、是非会ってみなさい」といわれたそうである。「やあ、あなたでしたか」と、ぼくと握手をするなり、怒濤のようにしゃべり始めた。一時間余、ほとんどぼくは聞くばかりだったけど、いや、面白かった。
言葉から言葉へ、直感で語り継いでいくその躍動感とダイナミズムは「この先どこへ行くのか」、まさにアートだった。「この国にまともな政治家はいないのか」小泉さんや福田さんをこき下ろし、返す刀でブッシュをやくざ呼ばわり。しかし口元は笑っている。とぼけたふりして「怒り」を「愛」という作品に仕上げているのだ。目は、狂気の一歩手前でしっかり立ち止まっている。たまにぼくの目を見るとき以外は、まるで、へのへのもへじの顔が宇宙をさまよっているようにも見えたが、紛れもなく「世界を見ている」目だった。
「高知から、これからのあるべき正しい世の中の姿を、世界に向けて、情報発信するのだ」
あれ?どこかで、聞いたようなせりふだぞ。
ともあれ、自称天才のぼくは、本物の天才にお会いして、何度も笑い、ほんわりと解放され、自由を感じ、元気が出た。いや、すごい人に会ってしまった。思い出しても腹が揺れる。
「農業を始めて9年間、ず~っと火の車の中で生きてきましたから、体の芯まで燃えてます、熱いですよぼくは」と言ったら、「あっ、面白い、面白いよ~、それ~」だって。
天才とサムライ
「その街では、農業はすべて有機栽培でやりますからね、あなたが作ってくれますね」
もちろんですとも。
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