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夏野菜だぜ、ベイビィ!

2016/09/08

住宅前1,2,3
住宅前1
石垣から上、住宅までが寺家の畑、住宅前1,2,3。
手前から、ピーマン、シシトウ、ナス、キュウリ。
では、キュウリから
キュウリ収穫
山下農園の研修生テル。高校生の頃から援農隊の一員だったテルは、大学卒業後、アルバイトでお金を貯め、「土佐自然塾」の一期生として入学。厳しい研修に耐え、さらにその後山下農園で研修を継続。3年目の夏をみっちり経過中。当初は山下農園の山下清と言われていたのだが(ぼくが言っていた)、体はごらんの通り、かなり締まってきて、顔も精悍になってきた。
さて、キュウリ
キュウリアップ
定植直後にべと病が発生。「ほい来た!」とばかり、秘伝の技で対処。結局ごらんの通り、収穫開始40日を過ぎても葉っぱは、青々。で、その秘伝の技とは、下位節を全く除去せず、実だけを摘除。株間1mの放任栽培。成長点をたくさん残し、株自らの勢いで、べと病に打ち勝つ。ぼくの作り方だと、うどん粉病は元からでないから、べと病、褐班病にさえ対処できれば、後は楽勝。
朝晩2回の収穫。取り遅れたらすぐに太りすぎて商品にならない。
キュウリ収穫2
ナス畑 灌水設備が無いのがつらい
ナス畑
ナス、アップ
ナスアップ
で、このナスがなんでぴかぴかかというと、その訳の一つは下の写真。
ソルゴーの障壁栽培
ソルゴー障壁栽培
周りをぐるりとソルゴーで取り囲み、天敵を誘引する、さらに風よけとして、ナスに傷が付くのを防ぐ。
灌水設備が無い畑なので、この酷暑、干ばつの影響で、秀品率が低く、実付きが少ないのがシャクの種。
でも、灌水設備のあるハウスならもう、完璧。
ハウスナス
ナス、ハウス
講演の時にいつも写真で見せるハウスは、今年も絶好調。周りに雑草を適度に残せば、農薬を使ってないからこそ、天敵(ハナカメムシ)がウジャウジャ。ナスの害虫、ミナミキイロアザミウマの害は皆無。茅の敷き草をそのまま鋤込む畑まるごと堆肥化で、抜群の物理性が根を健全に育てる。根が健全に育てば、当然地上部も健全に育つ。かくして、難易度の高いナスが、しかも自根(接ぎ木は病害に強いが味がまずい)の苗で、年々(5年連作)できが良くなる。エッヘン!
秀品率90%以上
高い秀品率
有機栽培でこういうナス(同じナス科のピーマンやシシトウも含む)を作れば、高知県の園芸農家も経済的に息を吹き返すことが出来る。行政もその技術をしっかり調査して、普及していく体制を早く取るようにと、いつも言っているのだけど、軽く無視されている。「どうして積極的に取り組まないのですか?」高知県農業振興部や園芸連に、みなさん問い合わせてみませんか。昨年秋の農水省の調査では「有機栽培に取り組みたい農家]は50%を超えているのですから、普及体制さえ整えれば、一気に有機農業が振興され、農家の経済性も向上し、消費者の健康も、環境も守られ、極めて有効な地球温暖化対策(これは稿を改めて書きます)にもなる。
ハウスのピカピカナス
ハウスナス
コウスケ
コウスケ
収穫しているのが、この4月から山下農園で研修している、仁宮康介。
「コウスケは偉い!」のだ。
なぜかというと、宮崎大学の農学部を卒業後、郷里の島根県で農業高校の臨時教員になり、採用試験に挑戦していたのだが、ある日「現場のことが分からないぼくに、子供達に教える資格があるのか?」と言う疑問にとりつかれた。きまじめな性格のコウスケ(顔は不真面目)にとってこれは辛い。
「理論と知識だけでは、どうにもならない・・・経験が必要だ」
そこで、いったん退職し、まず現場で自ら学ぶことにした。そして、研修先をあれこれ探していて山下農園を見つけた。そのコウスケ。つい最近、採用試験の一時にパスしたのだ。まもなく、二次試験がある。通れば受験生16人の内の1人の合格者になる。狭き門、難関では有るけれど、必ず通る。ぼくは確信を持っている。なぜかと言えば、彼は何をやっても上手くいく持って生まれた運を持っている。なぜそんなことが言えるかと言えば、彼の生き方は、小さな自分(自我)を軽々と投げ捨て、全てに、肯定的、積極的、自立的,、公共的だからだ。
一次試験から帰って来た直後、こんな会話があった。
「(試験)どうだった?」ぼく。
「だめです、まず落ちます」コウスケ、しょんぼり。
「教育委員会に、親戚とか知り合いはいないの?」
「いないんです、それが・・・涙・・・あっ!違います、そうではなくてぇ・・・」
「じゃあ、なんだ?」
「面接の時に、教育界の閉鎖性を指摘して、これじゃあアカン!と一席ぶってしまったのです」
「よっしゃ、よく言うた。それでこそ俺の弟子。大丈夫、絶対通るちや、心配すんな」
「あっ、そっか~」コウスケ、にっこり。その素直さがまたコウスケの魅力。
関係ないけど、ガールフレンドがこれまた超カワイイ。ま、みどりには、負けるけどね。
で、そのみどりがトマトの収穫
トマト収穫
苦手のトマト栽培が何とか克服できそうになってきた。品種は「オグリワン」。酸味が適度にあって、味が濃い。青臭くもない。「トマトは野菜だ!」と言いたくなる味。
昔懐かしい味がするのと、青枯れ病に強いと言うことで採用した品種だが、梅雨時にエキ病が発生した。しかし一回の石灰防除で止まった。活着を確認してからは、無灌水。干ばつ猛暑の毎日が続いているが、比較的高いと想像される、地下水を搾り取るように生きている。だから、よけい味が濃い。
トマトアップ
産直コーナーで大人気
トマト収穫
この後、これらの野菜と、カツオ、タコ、などを使った至福の晩酌タイムが始まるのだが、その中身は明日、追加アップします。それでは、今から、まずお風呂に「どぶん!」
ヤーイ!晩酌(一夜明けて、アップロード)
皿鉢風海鮮サラダ
皿鉢風海鮮サラダ
中身は、カツオ、タコ、タマネギ、トマト、キュウリ、ケッパー、ブルーチーズ。
週刊現代の編集者、京子ちゃんが盛りつけた。何が入っているか、これでは分からない。
小皿に取り分けると、
サラダカツオ、タコ
これに、オリーブオイルと塩を適当にかける。夏の山海の滋味、滋養がビール、ワインと共に五蔵六腑に染みわたると、中枢神経がユラリと弛緩し、手足の末梢神経からは、空気中にその至福のエネルギーが放散していく。美味に凝縮された夏の精気が、体内を浄化しながら通り抜けていくのだ。
トマトのパスタ
トマトのパスタ
トマトの酸味と旨みが細いパスタに微妙、絶妙に絡む。舌に絡む、喉に絡む。それを赤ワインでさらりと流せば口中爽やか、鼻腔は馥郁(ふくいく)、脳裏は晴天。
「や~幸せ」と、美味口福。
カボチャのポタージュ
カボチャのポタージュ
栗味カボチャは、煮ても、スープにしても、砂糖はいらない。それほど甘くてホクホクの風味。
汗見川の上流に今年から新しく借りた1反の畑で、約300株がのびのびと育っている。
9月から本格出荷。
かくして、持続可能な美味の循環が、永遠に続く山下農園であった。

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